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ささやか
てがみ座のお芝居を観に行く。

台本を書かれたときは、もちろん震災前であり、
伝えたいメッセージも震災前の世界へだったろうけど、
ひとつひとつのセリフが、今の世界へしっかりと届く。

作者の長田さんは、お話をすると、とても柔らかな印象の方。
でもその心の底に流れている物は熱いから人が動くのだ。

震災の影響で、お稽古で集まる事も大変だったろうし、
お客様のキャンセルも多く大変な苦労もある中、公演は続く。
勿論、いつ余震がきても対応できるようにされているので、安心して観る事もできた。
1回ずつ無事で終える事がどんなにプレッシャーだろうかと思う。
是非、千秋楽まで乗り切って欲しい。


劇場へ向かう途中、本を読んでいた電車内の電気が消えて、
電車が駅に滑り込むと不思議な暗さになった。
お昼過ぎで、外が明るい。
高校時代乗っていた電車は、
ある場所を通過する時だけ車内が停電する時があったなあ。
その時みたいだ。



帰りの電車では、ドア近くに立っていたので、
四角いマンションを
どんどん電車が追い越して行くのを眺めていた。

そのひとつひとつ窓に
それぞれの人生があって、
越して来たばかりの人がいて、
あと数ヶ月で去る人がいて、
家族で住んでいる人、
どこかへ行きたいけど思い悩んでいる人や
そこに早く帰りたい人がいて。

ぼんやりとそんな事を考えている内に地元へ着く。


夜は久しぶりに歌練習に参加して、笑って、
メンバーとそれぞれの震災後の話をいっぱい喋って。
ささやかな1日が終わる。


今日の温度みたいで、心にちょうどよい1日。
Top▲ | by hanatico1 | 2011-04-14 23:46 | 日記 | Comments(0)